2010.04.23(Fri) 【◇50-◇59】
◇52 怨嗟の視線。
122 名前:恋人は名無しさん[sage] 投稿日:2007/11/11(日) 03:34:49 ID:YDxzpUU90 [1/4]
修羅場というかちょっと怖かった体験。
私子:当時、学生
A男:同じ学科の学生
B子:私子の友人
大学生だった頃、私はよく市営プールに体力作りのため泳ぎに行っていた。
ある日、泳ぎに行くと、私と同じ年くらいの色白い、神経質そうな男の子が、その子の母親と
思われる人と一緒に来て、受付をしていた。
この年頃の男の子が母親と来るなんてめずらしいなと思いながら、水着に着替えて泳ぎ始めた。
受付にいた男の子は私の隣のレーンで泳ぎ始めた。母親はウォーキングのレーンにいるのか、
そこにはいなかった。
しばらく泳いでると、目の前に人の足が見えて、びっくりして泳ぐのやめて水の外に顔出して見ると
その男の子が私の進路の逆方向から歩いてきてた。他に人のいないレーンあるのに
わざわざ私のレーンに来て。
私はなんでこんな邪魔になることするんだろうと思ってその子をよけてまた泳ぎはじめたんだけど、
プールの端まで泳いでまた泳ごうと振り返ると私の直後からその子が泳いで来てた。
私は気味悪くなって他のレーンに移って泳ぎ始めた。ちょっと泳いであの男の子はどうしてるんだろうと
プールを見回すともういなくなってたから、なんかほっとしたんだけど、
ちらっとウォータースライダーの方見ると彼が一人で滑ってた。
ウォータースライダーって小学生とか、もっと上でも女子高生が何人かでワーワーいいながら
滑ってるのたまにみるくらいだったから、あの人はちょっと変な人なんだと一人で納得してると
滑り終わった彼と目があってしまった。
あわてて目をそらして泳ぎを再開したんだけど、その子がまた、私のレーンに来たので
私は泳ぐ気なくして帰った。
2,3日たって大学でプールにいた男の子を見かけた。というか、誰かこっちを見てるなと
思って、そのほうに目を向けると、その男の子が見てた。それからその男の子のことよく見かける
ようになっって、クラスの違う同じ学科のA男だということがわかった。ただ、あんまり学校には
来てないらしいということもわかった。
来てないという割にはほんとによく見かけた。そのうち、授業が終わって教室を出るタイミングが
おなじことが続いたり、私をすれすれで追い越していったり、図書館で本読んでるといつの間にか
すぐ後ろに座ってたりと、なんか不気味だった。
学校が終わるのが遅い火曜日は私は夕飯を一人で学食で食べてから帰る。
私が夕飯を食べてると、A男が斜め向かいに座ってきた。A男は何もしゃべらない。
私は思い切って話しかけてみた。
「A男君って名前だよね?最近よく見かけるけど、偶然かなぁ?」
「そうだね、よくみかけるね。」
A男はひきつった笑いを浮かべて、細い自信なさげな声で答えた。
「前、市営プールにもいたでしょ?一緒にいた人お母さん?」
そう聞くと、A男はちょっと慌てた様子で答えた。
「あれは、お母さんが俺について来たいって行ったからしょうがなく一緒にいったんだ。」
そしてA男は母親の悪口を私に話し始めた。勉強しろとうるさいとか、口出ししすぎるとか、
自分に対する躾が間違っていたとか。だんだん早口に声も大きくなっていった。
初めて話す人にいきなり母親の悪口でこんなにエキサイトするなんて変。
話終えてA男は笑みを浮かべて満足そうだった。
食べ終えて帰ろうとするとA男が私の隣に並んで歩いてくる。私は嫌だなと思って校門を出たところで、
「あ、忘れ物した。じゃあね」
って言って走って学校に戻った。しばらくして校門の外をうかがうと、A男がまだいたので
他の門から出て帰った。
124 名前:122[sage] 投稿日:2007/11/11(日) 03:37:41 ID:YDxzpUU90 [3/4]
それからA男が私に直接的に付きまとうようになった。誰かと一緒にいるときは来ないけど、
一人になると話しかけてきた。彼氏はいなかったけど、「私彼氏いるから男の子にあんまり話しかけられると困る」
と嘘ついた。でも、反応がない。私のスケジュールを把握されてるような気がした。
ある日、私は自分の家の窓から外の道路をふと見るとA男がこっちを見ながら歩いてるのが見えた。
このことを話したら、友達のB子が付きまとわないように言ってやると言ってくれた。
私が一人で夕食を食べA男をおびき寄せることにした。
案の定、A男は私の隣に座ってきた。それを見て離れた席にスタンバイしていたB子が来て、
A男の向かいに座った。
「A男君、私子につきまとってるんでしょ。彼女嫌がってる。彼女の家の前をうろつきまで
してるそうじゃない。もうやめなよ」
A男はずっとうつむいて聞いていた。
「彼女につきまとわないって約束して」
A男はしばらくしてからうなずいた。
A男を残したまま、食堂を出ると、B子が言った。
「さっき振り返って見たら、A男すごい目で私のこと睨んでたよ。ちょっと怖かった」
125 名前:122[sage] 投稿日:2007/11/11(日) 03:38:37 ID:YDxzpUU90 [4/4]
その日の後からは、A男のターゲットが私からB子になってしまった。
B子が視線を感じてそちらをみるとA男が睨んでいたり、振り向くとすぐ後ろを歩いていたり
するという。私は申し訳なくて仕方がなかった。でも、B子の彼氏がA男に話をつけたあとは
ぴったり収まった。
A男は再び学校に来なくなった。
おしまい
修羅場というかちょっと怖かった体験。
私子:当時、学生
A男:同じ学科の学生
B子:私子の友人
大学生だった頃、私はよく市営プールに体力作りのため泳ぎに行っていた。
ある日、泳ぎに行くと、私と同じ年くらいの色白い、神経質そうな男の子が、その子の母親と
思われる人と一緒に来て、受付をしていた。
この年頃の男の子が母親と来るなんてめずらしいなと思いながら、水着に着替えて泳ぎ始めた。
受付にいた男の子は私の隣のレーンで泳ぎ始めた。母親はウォーキングのレーンにいるのか、
そこにはいなかった。
しばらく泳いでると、目の前に人の足が見えて、びっくりして泳ぐのやめて水の外に顔出して見ると
その男の子が私の進路の逆方向から歩いてきてた。他に人のいないレーンあるのに
わざわざ私のレーンに来て。
私はなんでこんな邪魔になることするんだろうと思ってその子をよけてまた泳ぎはじめたんだけど、
プールの端まで泳いでまた泳ごうと振り返ると私の直後からその子が泳いで来てた。
私は気味悪くなって他のレーンに移って泳ぎ始めた。ちょっと泳いであの男の子はどうしてるんだろうと
プールを見回すともういなくなってたから、なんかほっとしたんだけど、
ちらっとウォータースライダーの方見ると彼が一人で滑ってた。
ウォータースライダーって小学生とか、もっと上でも女子高生が何人かでワーワーいいながら
滑ってるのたまにみるくらいだったから、あの人はちょっと変な人なんだと一人で納得してると
滑り終わった彼と目があってしまった。
あわてて目をそらして泳ぎを再開したんだけど、その子がまた、私のレーンに来たので
私は泳ぐ気なくして帰った。
123 名前:122[sage] 投稿日:2007/11/11(日) 03:36:20 ID:YDxzpUU90 [2/4]
2,3日たって大学でプールにいた男の子を見かけた。というか、誰かこっちを見てるなと
思って、そのほうに目を向けると、その男の子が見てた。それからその男の子のことよく見かける
ようになっって、クラスの違う同じ学科のA男だということがわかった。ただ、あんまり学校には
来てないらしいということもわかった。
来てないという割にはほんとによく見かけた。そのうち、授業が終わって教室を出るタイミングが
おなじことが続いたり、私をすれすれで追い越していったり、図書館で本読んでるといつの間にか
すぐ後ろに座ってたりと、なんか不気味だった。
学校が終わるのが遅い火曜日は私は夕飯を一人で学食で食べてから帰る。
私が夕飯を食べてると、A男が斜め向かいに座ってきた。A男は何もしゃべらない。
私は思い切って話しかけてみた。
「A男君って名前だよね?最近よく見かけるけど、偶然かなぁ?」
「そうだね、よくみかけるね。」
A男はひきつった笑いを浮かべて、細い自信なさげな声で答えた。
「前、市営プールにもいたでしょ?一緒にいた人お母さん?」
そう聞くと、A男はちょっと慌てた様子で答えた。
「あれは、お母さんが俺について来たいって行ったからしょうがなく一緒にいったんだ。」
そしてA男は母親の悪口を私に話し始めた。勉強しろとうるさいとか、口出ししすぎるとか、
自分に対する躾が間違っていたとか。だんだん早口に声も大きくなっていった。
初めて話す人にいきなり母親の悪口でこんなにエキサイトするなんて変。
話終えてA男は笑みを浮かべて満足そうだった。
食べ終えて帰ろうとするとA男が私の隣に並んで歩いてくる。私は嫌だなと思って校門を出たところで、
「あ、忘れ物した。じゃあね」
って言って走って学校に戻った。しばらくして校門の外をうかがうと、A男がまだいたので
他の門から出て帰った。
124 名前:122[sage] 投稿日:2007/11/11(日) 03:37:41 ID:YDxzpUU90 [3/4]
それからA男が私に直接的に付きまとうようになった。誰かと一緒にいるときは来ないけど、
一人になると話しかけてきた。彼氏はいなかったけど、「私彼氏いるから男の子にあんまり話しかけられると困る」
と嘘ついた。でも、反応がない。私のスケジュールを把握されてるような気がした。
ある日、私は自分の家の窓から外の道路をふと見るとA男がこっちを見ながら歩いてるのが見えた。
このことを話したら、友達のB子が付きまとわないように言ってやると言ってくれた。
私が一人で夕食を食べA男をおびき寄せることにした。
案の定、A男は私の隣に座ってきた。それを見て離れた席にスタンバイしていたB子が来て、
A男の向かいに座った。
「A男君、私子につきまとってるんでしょ。彼女嫌がってる。彼女の家の前をうろつきまで
してるそうじゃない。もうやめなよ」
A男はずっとうつむいて聞いていた。
「彼女につきまとわないって約束して」
A男はしばらくしてからうなずいた。
A男を残したまま、食堂を出ると、B子が言った。
「さっき振り返って見たら、A男すごい目で私のこと睨んでたよ。ちょっと怖かった」
125 名前:122[sage] 投稿日:2007/11/11(日) 03:38:37 ID:YDxzpUU90 [4/4]
その日の後からは、A男のターゲットが私からB子になってしまった。
B子が視線を感じてそちらをみるとA男が睨んでいたり、振り向くとすぐ後ろを歩いていたり
するという。私は申し訳なくて仕方がなかった。でも、B子の彼氏がA男に話をつけたあとは
ぴったり収まった。
A男は再び学校に来なくなった。
おしまい