◇修羅場◇まとめ

60 名前：恋人は名無しさん[sage] 投稿日：2008/02/06(水) 16:07:18 ID:X18coSwB0 [1/2]
去年のバレンタインデー、日直で朝早く行ったら俺の机の上に
大きな箱が置かれていた。
あからさまに綺麗にラッピングされたその箱に、俺は小躍り。
それまでの人生で一度もチョコを貰ったことも女と付き合ったこともなかったから
新たな人生がこれから始まるんだ…！と感動した。
で、誰も来ないうちに中を拝見しようと、包装紙を丁寧にはがし、箱を開けると
なんとゴージャスなチョコレートケーキ。ハート型。
いやいやこんなの貰っても一人で食べきれないっすよ～＾＾
と思いつつ、ボックスの端を持ってパクリとかぶりついた。
美味い、うますぎ。ケーキがこんなに美味かったなんて。
と思いつつ間食。ボックスを記念に持って帰るため、きれいに畳んでカバンにおさめた。
そして日直業務に取り掛かったところ、いっこ上の先輩がなにやら紙を握り締めて飛び込んできた。
「あれ？ここじゃないのか」
と一言言ってまた飛び出して行き、速攻戻ってきて俺に
「なあ、ここらへんで箱見んかった？」
瞬間凍りつく俺。
「さ、さあ…」
と答えると先輩は
「俺の彼女がさー、宝探しゲームとか言って地図置いていきやがってｗ
他の奴に見られたら恥ずかしいから、速攻探さんといかんのよｗ」
…ヤバイ。

　

61 名前：60[sage] 投稿日：2008/02/06(水) 16:08:08 ID:X18coSwB0 [2/2]
「ここじゃないみたいッスよ」
冷や汗をかきつつ無理に笑顔を作り答えると、先輩はまた出て行った。
その後無事に一時限目を迎え、休み時間になった。
先輩が彼女を連れて教室に来た。
「ここ！ここに置いたんだよ！」と彼女が俺の着席している机を指差した。
先輩が俺の顔を捉えた。目がギュギュウッと細くなる。
「やっぱりお前なんか知っとるだろ」
詰め寄る先輩。と、彼女がタイミングよく俺のカバンの端っこから
包装紙がはみ出しているのを見つけた。
「おー、ちょっと外行こうや、な？」
「ハイ…」

その後三日ほど学校を休み、登校してみたら渾名が恋盗人になっていた。