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◇77 スライヴ・オンザ・ショートケーキ。

920 名前:恋人は名無しさん[sage] 投稿日:2009/07/27(月) 04:35:34 ID:RIu4IOeS0 [1/5]
美容師の話で思い出したから投下。
私が学生時代バイトしていた頃の話。
年齢は全部当時。
後、こまごまフェイク入れています。


イケ也…長瀬智也っぽいイケメンの22歳大学生バイト
エリ子…喫茶店の常連。40歳くらいで独身、エリート会社員
私……19歳大学生バイト



私が街中のその喫茶店にバイトに入った時、イケ也は既に バイト1年目。
個人の店なもんで、従業員は店長と奥さんとその家の息子と イケ也と私のみ
普段は2~3人でお店をまわしていた。
その中でも私とイケ也は大学は違うものの年が近く、趣味が 合うこともあり
(ガンオタ、三国志オタw)すぐ友達になった。

その喫茶店は特に情報を出していないけど、ランチメニューと コーヒーと
趣味のいい内装で、それなりに常連さんがいた。
その中にいたのが顔が樹木 希林みたいみたいなエリ子さん。
エリ子さんはとある大手企業に勤める独身のエリート会社員? らしかった。


勤め始めてしばらくしてあることに気が付いた。
エリ子さんは店に来る時やけに気合入れた服装。
例えば胸の谷間を強調した服とか、スリット深いスカート みたいなのとか。
そして私が接客してもうれしそうじゃなく、「イケ也君は?」 と聞く。

で、「イケ也さん、エリ子さんが呼んでいますよ!」と やっていた。
エリ子さん以外にもこういうことはしょっちゅうあったので、
ファン心理はそんなものかと思っていた。 921 名前:920[sage] 投稿日:2009/07/27(月) 04:43:43 ID:RIu4IOeS0 [2/5]
で、業務にもすっかりなれた頃とある日。

その日はお客さんもあまりいなかったので、暇に任せてイケ也と私は
楽しく三国志とガンダムの話をしていた。
すると、カランとドアの開く音。見るとエリ子さんが立っている。
でも、無言。

「あ、いらっしゃいませ」
と挨拶したのだが、エリ子さんは私に見向きもせずつかつかと
イケ也に近寄っていく。 そして、
「これ、作りすぎたから食べてね」
何やら白い箱をイケ也に渡した。
イケ也は顔を強張らせていたけど、しばらく後小さな声で、
「あ、どうも」と言った。
エリ子さんはその言葉に満面の笑顔を浮かべたあと、私の顔を正面から見た。
そしてじゃあね、と言って店を出て行った。

まずかったかなと思いつつも、エリ子さんが帰った後、 それ何?とイケ也に
せがんで包みを開けてもらうと、中には 手作りとは思えない立派なケーキ。
はっきり言って店においてあるのよりおいしそう。

私が、「すごいね」と感動していると、イケ也ボソっと、
「最近、あの人からこういうこと多くなったんだよな……」
そして、なんと生ゴミに捨てようとする。
勿体無いし気の毒だし、当時貧乏チャーハンが月の食生活の大半を占める
貧乏生活をしていた私は、
「もったいないじゃん!捨てるくらいなら頂戴!」
とイケ也としばらく揉めた。

後から聞いたんだけど、中にヘンなもの入っていることが
あるそうで・・・;(ツバとかその辺・・・)

924 名前:920[sage] 投稿日:2009/07/27(月) 04:50:10 ID:RIu4IOeS0 [3/5]
それから更に1ヶ月ほど過ぎた日、私は大学から直接バイトに行く
予定だったんだけど、イケ也も大学の近くに来ていると携帯で連絡があり、
一緒に行こうと言うから、そうすることにした。
で、2人でバイト先へ行ったのですが、その従業員口入り口で
エリ子さんと鉢合わせ。(と言うか、待っていた?)



エリ子さんは一瞬私を見たけど、構わずイケ也に近づいて
「どうしても話がしたくて」
イケ也「……困るんです。そういうのって」
こうした現場に初めて遭遇した私は、
「(( コレナンノショウジョマンガ( ̄ー ̄;)(; ̄ー ̄)アルイハ、ナンノオヒルノメロドラマ ))」
、とただうろたえていた。

エリ子さんは更に、
「もう会えないの?」
と続ける。
私も逃げ去るタイミングをすっかり失ってただ聞いていた。
イケ也「……」
エリ子さん「前は、最後の夜だったのに……」
(私の内心)「 Σ(゚Д゚;エーッ! 」

イケ也「そう言う言い方やめてくれますか?俺、エリ子さんのことは何とも思って
いないんだし」
エリ子さん「ひどい、そんな言い方……。やっぱりその子が彼女なの?」
(私の内心)「 Σ(゚Д゚;(゚Д゚;エーッ!! 」

926 名前:920[sage] 投稿日:2009/07/27(月) 04:58:17 ID:RIu4IOeS0 [4/5]
私には当時彼氏がいた。
だから、違う~!違う~!と心の中で叫びつつ、実際には
あわあわと何も言えず、イケ也とエリ子さんの言動を息を
呑んで見守っていた。
そして頭の中でいろんなシュミレーション。

もしこの人を遠ざけるために、場しのぎで「実は彼女です」
とイケ也が発言したらどうしようとか、
と言うか、その場合には振りをした方がいいのかとか、
ったらエリ子さんががストーカー気質だった場合、私が
怖いことにならない?とか色々走馬灯みたいにばーっと。

が、イケ也はしばらくして
「違う」
と言った。
エリ子さんはそれを聞いてもしばらくの間そこにいたけど、
「電話するから」
と言って帰って行った。

927 名前:920[sage] 投稿日:2009/07/27(月) 05:04:35 ID:RIu4IOeS0 [5/5]
店に入ってからイケ也に、一体どういうことなのかと聞いたところ、
イケ也はエリ子さんのことや他にも理由があって月末でこの店を
やめるんだと言った。
これには私も驚いた。

で、その情報を手に入れたエリ子さんが、酔って夜に喫茶店に来て、
イケ也に『最後に1度でいいから』と、ホテルにいくことを迫ったそう。
「もちろん断ったけど」
とイケ也。

普段からエリ子さんがイケ也に好意を持っていたこと、エリ子さんとの
あのシーンと、イケ也からの話か情報がないので、なんとも分析
しようがないんだけど、エリ子さんはイケ也に危ない感じで本気だった
んだなぁ。
で、イケ也はそれが怖かったんだろうなと思う。(それはそうだよね)



イケ也とは今でもオタ友達です。
実は一度一緒に同人誌を作ったこともあります(死)。
と言う、どうでもいい情報とともに終わります。
あまり楽しくなくてすいません。

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