2010.06.05(Sat) 【◇60-◇69】
◇63 デリカシーの欠片。
229 名前:恋人は名無しさん[sage] 投稿日:2008/08/21(木) 13:07:28 ID:86lIVCJQ0 [1/9]
オレ 28歳:会社員
T美 20歳(彼女:大学生)
N子 20歳(彼女の親友:大学生)
E太 20歳(N子の彼氏:大学生)
茶髪 20歳(E太の友達:大学生)
サメ 20歳(E太の友達:大学生)
付き合いだして3ヶ月くらいたったある日、T美がN子にオレを紹介したいって話しになったんだ。
N子はT美を大学へ迎えに行った時何度かチラッと挨拶を交わした程度で話とかはした事なかったので、オレを彼氏としてちゃんと紹介したいって事で。
そんなわけで後日、T美とN子がよく行くっつー居酒屋で会う事になった。
最初は他愛もない話で飲んでたんだけど、だんだん酒がすすんでくるとT美とN子は大学の友達の話とか講義が何たらだとか、とにかくオレが入っていけないような話題で盛り上がり始めた。
オレはほったらかしかよとか思ったけど、女の子同士の会話なんてこんなもんなんだろうなと一人チビチビやってたわけだ。
そうこうしてると、突然N子が「E太も呼んでいい?」って言い出した。
オレ「E太君ってのは?」
T美「N子の彼氏」
N子「T美に彼氏出来た時から彼氏さんに会わせろって聞かなかったんですよー」
話を聞くと、もともとT美はN子の彼氏とは面識があるらしく、オレと付き合う前からよく一緒に遊んでたりしてて(もちろんN子も一緒に)仲良かったらしい。
面倒見が良い人物で、T美が変な男と付き合ったりしないか心配してたそうだ。
オレ「別にオレは構わないよ」
何となく嫌な予感はしてたが、別段断る理由もないので了承した。
N子はオレの返事を聞くと、さっそくE太に電話で連絡を取ってた。
けっこうN子の彼氏への電話が長話になってたので、T美からE太ってこんな人なんだよみたいな話を聞かされた。
E太は高校まで野球をやってたらしく屈強な体格で、何かにつけて前に出たがるリーダー肌の性格の持ち主だという事だった。
E太のスペックなど特に興味も無かったが、T美が楽しそうに話してたので『けっこうコイツ(T美)、E太とも仲良さそうだなぁ』とかヤキモチまで行かないけど、軽く嫌悪感がわいていた。
オレらがそんな会話をしてるとN子がT美に「あの人、今、茶髪君らと一緒なんだってー」と言ってきた。
どうやらE太もちょうど大学の友人らと飲んでたらしく、こちらへ合流する気満々らしい。
オレはてっきりE太はその友人らとの飲み会を離脱して一人合流するとばかり思ってたので、E太を呼ぶ事に同意した。
232 名前:229[sage] 投稿日:2008/08/21(木) 13:11:33 ID:86lIVCJQ0 [3/9]
N子が電話を切り、また女二人の会話に取り残されるオレ。
オレは話に入っていけないので一人で焼酎をパカパカ飲んでたおかげでけっこう酔いが回ってきていた。
それから30分くらいたった頃だろうか、居酒屋の玄関ドアが開いていきなり「おいっすー!」みたいな馬鹿デカイ声が聞こえてきた。
驚いて振り返ると、やたら背の高い(180は超えてた)ゴツイ色黒の男と、茶髪で美容室のスタイルブックとかに載ってそうないかにも今風な男と、坊主頭にラインが入ってる(なんかあのエグザイルのボーカルみたいな)サメみたいな鋭い目の男の3人組だった。
なんだこの馬鹿どもはと呆れていると、N子が「E太ー!」とか手を振ってんの。
そのN子の声を聞きつけて、その3人組がこちらへかなりハイテンションで向かってくる。
ちょっと待て、E太(すぐに色黒のヤツがE太だと分かった)一人じゃねーじゃん、連れも来たんかいって驚いてるオレなんか気にする様子もなく、その3人はズカズカとオレらのテーブルに座ってきた。
E太はオレの前に陣取り、オレなんか無視して「T美ひさびさー!」とか言ってるわけ。
そのあとオレを見て、「あれ!?T美の彼氏さんっすか!?男前っすねーオレの次に!笑」みたいな挨拶?をしやがった。(※オレは男前では無い)
しばらくオレ以外のメンバー(T美も一緒になって)が久々の再会を喜んでる様子。
オレは一気に不快な気分になっていた。
E太と友人らの軽いノリにも増して、人の彼女をいきなり呼び捨てにされた事が一番腹立たしかったからだ。
しかしT美の親友の彼氏たちなので、ここは抑えておこうと愛想笑いのオレ。
233 名前:229[sage] 投稿日:2008/08/21(木) 13:13:46 ID:86lIVCJQ0 [4/9]
E太たちは「とりあえず生!」とか口々に言い出し、変な飲み会がスタート。
E太「オレさん、けっこう(歳が)上っすよね?」
オレ「28だよ」
E太「うは、大人っすね、つかオヤジっすね笑」
一同爆笑。
コイツぶん殴ってやろうかと頭にきたが耐えた。
一人怒りにプルプル震えてたオレはT美を見ると、茶髪となんか話が盛り上がってる始末。
コイツ何他の男とニコニコ話してんの?とかさらに怒りが込み上げてきたが、その場はぐっと耐える。
サメは寡黙なヤツなのか、なんかニヤニヤしながらこちらに時折鋭い視線を向けている。
オレは正直、一刻も早く帰りたかった。
だがそんなオレの気持ちとは裏腹に、飲み会は盛り上がっている(オレを除いて)
オレは完全に会話の蚊帳の外で、大学の話題ばかり。
どうやらコイツらは元々グループみたいな関係だったみたいで、やれみんなでキャンプに行った時どうこうだったとか、学祭の時何やっただとか、過去話で凄い話が盛り上がってるわけ。
オレはいたたまれなくなり、トイレへ離脱。
洗面所で顔を洗って一息ついて落ち着こうとした。
が、酔いも回ってるせいか冷静になれない。
E太の無礼な態度や、オレをフォローするどころか茶髪と楽しそうに話してばっかのT美の様子にも。
このまま席に戻れば、怒りをぶちまけそうだったので、トイレでしばらく待機していた。
236 名前:229[sage] 投稿日:2008/08/21(木) 13:15:39 ID:86lIVCJQ0 [5/9]
すると突然携帯が鳴った。
見るとT美からのメールだった。
『吐いてんの?大丈夫?』って。
お前、メールかよ、様子見に来たりとかじゃないわけ?ってさらに頭来て、『オレもう帰る』ってメールを送り返した。
するとT美が小走りにトイレにやってきた。
T美「何?いきなり帰るって?どしたの?」
オレ「どしたの?じゃねーよ、何だよアイツらは」
T美「何怒ってんの?みんな楽しく飲んでんじゃん」
オレ「は?オレが何で怒ってるのか分かんないの?」
T美「意味わかんない、酔ってんの?」
オレはもう、なんかアホらしくなってきた。
オレが単に大人げないって事なんすか?と。
オレ「もういいよ、お前らの楽しそうな雰囲気壊しちゃまずいから、オレは今日は帰るよ」
T美「何?あたしに怒ってんの?マジ分かんないんだけど」
オレ「だから!もういいっつってんだろうがよ!」
オレはつい、自分でも思ってもみないくらい大声を出してしまった。
その瞬間、T美が泣き出す。
うわぁーもう最悪だぁとか思って、オレまで泣けてきそうになった時、どうゆうわけか茶髪がトイレへやってきた。
237 名前:229[sage] 投稿日:2008/08/21(木) 13:17:33 ID:86lIVCJQ0 [6/9]
茶髪「うわ!」
T美がわんわん泣いてるのに茶髪も驚いてる様子だった。
茶髪「なんかあったんすか?」
オレ「う・・ん、ちょっとね・・・」
オレはそう言うとT美の腕を引っ張り外へ連れ出そうとした。
トイレなんかじゃ落ち着いて話も出来ないと思って。
そしたら茶髪がなんか言い出した。
茶髪「つか、なに女泣かしてんすか?」
オレ「は?」
コイツは何を訳分からん事を言ってるのかと。
茶髪「アンタ最低じゃん」(ここからタメ口)
オレ「詳しい理由も分かってないくせに、いきなり最低呼ばわりはないだろう」
茶髪「オレが言ってんのは、もっとT美を大事にしろって言ってんの」
オレ「大事にしてるよ、てゆか茶髪君には関係ないだろう」
オレは必死に冷静さを保とうとした。・・・が。
茶髪「関係あるよ、オレ、T美の元彼だもん」
オレ「はい!?」
オレは一瞬、混乱した。
そんな告白、今されても、ってゆかマジっすかと。
オレ「茶髪君がT美の元彼だろうが何だろうが、今の彼氏はオレじゃん?だからオレらの問題じゃん?」
茶髪「お互い嫌いになって別れたわけじゃないから、関係あるじゃんよ」
コイツ頭おかしいのかと。
なんか知らんが、茶髪はだんだん怒りのボルテージが上昇してる様子だった。
T美は相変わらず泣いてばかり。
トイレは異様な雰囲気に包まれていた。
240 名前:229[sage] 投稿日:2008/08/21(木) 13:19:37 ID:86lIVCJQ0 [7/9]
オレは相手にしてたらヤバイと思い、とにかく二人で話させてくれってT美の手を取って玄関へ向かおうとしたんだ。
すると茶髪がいきなり胸ぐらをつかんできた。
茶髪「なめてんのお前?」
オレ「手どけろ、お前頭おかしいんじゃないか?」
T美「もうやめてよぉぉぉぉ!(すげー大声だった)」
そうこうしていると店員さんがやってきた。
店員「どうかなさいましたか!?」
オレ「騒がしくして、すみません、ちょっと酔いが過ぎてるだけでして・・・」
その場をなんとか取り繕おうとしたオレの横で、茶髪が店員に叫んだ。
茶髪「テメーはすっこんでろ!この派遣が!」
店員さんは一瞬驚いた顔をして、「他のお客様のご迷惑になりますので、大声出されたりとかはちょっと・・・」と丁寧に返してたんだが。
茶髪は相当悪酔いしていた。
しばらく茶髪と店員が押し問答してるともう一人店員さんがやってきた(おそらく店長)
店長「君ら学生さん?あんまり騒がれると、こっちも色々と連絡とかしなくちゃならないの、分かるよね?」
たぶん脅しで言ってるんだとは思ったが、このままではマジで通報されると思い、オレが割って入った。
オレ「申し訳ありません、すぐ大人しくさせますんで、警察とかはかんべんしてもらえませんか」
店長「おたくが幹事さん?彼(茶髪)と彼女(泣いてるT美)は大丈夫?」
オレ「はい、僕が責任持ってこれ以上ご迷惑にならないようにしますんで」
お願いしますよと言い残し、店員二人は持ち場へ帰って行った。
242 名前:229[sage] 投稿日:2008/08/21(木) 13:21:46 ID:86lIVCJQ0 [8/9]
もう心底参った。なんでこうなるのかと。
オレは顔を真っ赤にしてる茶髪を必死になだめた。
オレ「わかったわかった、とりあえず落ち着け、オレも悪かったよ、だから大声とかは出さんでくれ」
茶髪「オレはまともっすよ!」
オレ「うん、それはもうわかったから、ちょっとだけT美と二人で話させてくれ、頼むよ」
茶髪はなんかブツブツ言ってたが、席に戻っていった。
オレはヒクヒク泣いているT美の手を再び取り、外の駐車場へ。
T美を輪留めに座らせ、近くの自販機からペットボトルの水を買ってT美に持って行った。
オレ「大丈夫か?」
T美は泣き止んではいたが、ペットボトルを握り締めたまま黙っていた。
オレ「オレが悪かったよ、もうちょっと大人になるべきだった」
T美「・・・ごめんなさい・・・」
オレ「いや、オレの方こそ、ごめんなさい」
しばらくお互い無言でいると、T美が手を繋いできた。
T美「・・・あたしの事、嫌ってない?」
オレ「うん、心配するな、好きだよ」
T美はそこでまたエーンとか言って泣き出したorz
しかし、なんつーか今度の泣きはぐっときたというか、心底可愛く思えて抱きしめてしまった。
244 名前:229[sage] 投稿日:2008/08/21(木) 13:23:16 ID:86lIVCJQ0 [9/9]
とりあえずその場はT美を落ち着かせたあと、二人で居酒屋へ戻りN子たちの元へ戻って、オレは言った。
オレ「なんかオレのせいで変な事になってしまって、すみませんでした。今日はもうこいつ連れて帰ります。あと、茶髪君、オレはT美が好きだし一番大事な存在だ。T美の今の彼氏はオレなんで全力で守るよ。」
茶髪「は?」
オレ「ただそれが言いたかっただけ、じゃあ」
そう言って、会計でタクシー代以外の有り金全部置いて帰った。
今では付き合いも1年とちょっと経過したけど、T美とはなんだかんだ上手くいってるよ。
T美もオレに気を使ってるのか知らないが、E太とその連れたちとは会ってないそうだ(N子とは親友なんで会ってるらしいが)
あの時、もし茶髪と喧嘩でもしてたら、今とまったく違う状況になってたかもしれんです。
くだらん駄文でスマソ。
名無しに戻ります。
オレ 28歳:会社員
T美 20歳(彼女:大学生)
N子 20歳(彼女の親友:大学生)
E太 20歳(N子の彼氏:大学生)
茶髪 20歳(E太の友達:大学生)
サメ 20歳(E太の友達:大学生)
付き合いだして3ヶ月くらいたったある日、T美がN子にオレを紹介したいって話しになったんだ。
N子はT美を大学へ迎えに行った時何度かチラッと挨拶を交わした程度で話とかはした事なかったので、オレを彼氏としてちゃんと紹介したいって事で。
そんなわけで後日、T美とN子がよく行くっつー居酒屋で会う事になった。
最初は他愛もない話で飲んでたんだけど、だんだん酒がすすんでくるとT美とN子は大学の友達の話とか講義が何たらだとか、とにかくオレが入っていけないような話題で盛り上がり始めた。
オレはほったらかしかよとか思ったけど、女の子同士の会話なんてこんなもんなんだろうなと一人チビチビやってたわけだ。
231 名前:229[sage] 投稿日:2008/08/21(木) 13:09:30 ID:86lIVCJQ0 [2/9]
そうこうしてると、突然N子が「E太も呼んでいい?」って言い出した。
オレ「E太君ってのは?」
T美「N子の彼氏」
N子「T美に彼氏出来た時から彼氏さんに会わせろって聞かなかったんですよー」
話を聞くと、もともとT美はN子の彼氏とは面識があるらしく、オレと付き合う前からよく一緒に遊んでたりしてて(もちろんN子も一緒に)仲良かったらしい。
面倒見が良い人物で、T美が変な男と付き合ったりしないか心配してたそうだ。
オレ「別にオレは構わないよ」
何となく嫌な予感はしてたが、別段断る理由もないので了承した。
N子はオレの返事を聞くと、さっそくE太に電話で連絡を取ってた。
けっこうN子の彼氏への電話が長話になってたので、T美からE太ってこんな人なんだよみたいな話を聞かされた。
E太は高校まで野球をやってたらしく屈強な体格で、何かにつけて前に出たがるリーダー肌の性格の持ち主だという事だった。
E太のスペックなど特に興味も無かったが、T美が楽しそうに話してたので『けっこうコイツ(T美)、E太とも仲良さそうだなぁ』とかヤキモチまで行かないけど、軽く嫌悪感がわいていた。
オレらがそんな会話をしてるとN子がT美に「あの人、今、茶髪君らと一緒なんだってー」と言ってきた。
どうやらE太もちょうど大学の友人らと飲んでたらしく、こちらへ合流する気満々らしい。
オレはてっきりE太はその友人らとの飲み会を離脱して一人合流するとばかり思ってたので、E太を呼ぶ事に同意した。
232 名前:229[sage] 投稿日:2008/08/21(木) 13:11:33 ID:86lIVCJQ0 [3/9]
N子が電話を切り、また女二人の会話に取り残されるオレ。
オレは話に入っていけないので一人で焼酎をパカパカ飲んでたおかげでけっこう酔いが回ってきていた。
それから30分くらいたった頃だろうか、居酒屋の玄関ドアが開いていきなり「おいっすー!」みたいな馬鹿デカイ声が聞こえてきた。
驚いて振り返ると、やたら背の高い(180は超えてた)ゴツイ色黒の男と、茶髪で美容室のスタイルブックとかに載ってそうないかにも今風な男と、坊主頭にラインが入ってる(なんかあのエグザイルのボーカルみたいな)サメみたいな鋭い目の男の3人組だった。
なんだこの馬鹿どもはと呆れていると、N子が「E太ー!」とか手を振ってんの。
そのN子の声を聞きつけて、その3人組がこちらへかなりハイテンションで向かってくる。
ちょっと待て、E太(すぐに色黒のヤツがE太だと分かった)一人じゃねーじゃん、連れも来たんかいって驚いてるオレなんか気にする様子もなく、その3人はズカズカとオレらのテーブルに座ってきた。
E太はオレの前に陣取り、オレなんか無視して「T美ひさびさー!」とか言ってるわけ。
そのあとオレを見て、「あれ!?T美の彼氏さんっすか!?男前っすねーオレの次に!笑」みたいな挨拶?をしやがった。(※オレは男前では無い)
しばらくオレ以外のメンバー(T美も一緒になって)が久々の再会を喜んでる様子。
オレは一気に不快な気分になっていた。
E太と友人らの軽いノリにも増して、人の彼女をいきなり呼び捨てにされた事が一番腹立たしかったからだ。
しかしT美の親友の彼氏たちなので、ここは抑えておこうと愛想笑いのオレ。
233 名前:229[sage] 投稿日:2008/08/21(木) 13:13:46 ID:86lIVCJQ0 [4/9]
E太たちは「とりあえず生!」とか口々に言い出し、変な飲み会がスタート。
E太「オレさん、けっこう(歳が)上っすよね?」
オレ「28だよ」
E太「うは、大人っすね、つかオヤジっすね笑」
一同爆笑。
コイツぶん殴ってやろうかと頭にきたが耐えた。
一人怒りにプルプル震えてたオレはT美を見ると、茶髪となんか話が盛り上がってる始末。
コイツ何他の男とニコニコ話してんの?とかさらに怒りが込み上げてきたが、その場はぐっと耐える。
サメは寡黙なヤツなのか、なんかニヤニヤしながらこちらに時折鋭い視線を向けている。
オレは正直、一刻も早く帰りたかった。
だがそんなオレの気持ちとは裏腹に、飲み会は盛り上がっている(オレを除いて)
オレは完全に会話の蚊帳の外で、大学の話題ばかり。
どうやらコイツらは元々グループみたいな関係だったみたいで、やれみんなでキャンプに行った時どうこうだったとか、学祭の時何やっただとか、過去話で凄い話が盛り上がってるわけ。
オレはいたたまれなくなり、トイレへ離脱。
洗面所で顔を洗って一息ついて落ち着こうとした。
が、酔いも回ってるせいか冷静になれない。
E太の無礼な態度や、オレをフォローするどころか茶髪と楽しそうに話してばっかのT美の様子にも。
このまま席に戻れば、怒りをぶちまけそうだったので、トイレでしばらく待機していた。
236 名前:229[sage] 投稿日:2008/08/21(木) 13:15:39 ID:86lIVCJQ0 [5/9]
すると突然携帯が鳴った。
見るとT美からのメールだった。
『吐いてんの?大丈夫?』って。
お前、メールかよ、様子見に来たりとかじゃないわけ?ってさらに頭来て、『オレもう帰る』ってメールを送り返した。
するとT美が小走りにトイレにやってきた。
T美「何?いきなり帰るって?どしたの?」
オレ「どしたの?じゃねーよ、何だよアイツらは」
T美「何怒ってんの?みんな楽しく飲んでんじゃん」
オレ「は?オレが何で怒ってるのか分かんないの?」
T美「意味わかんない、酔ってんの?」
オレはもう、なんかアホらしくなってきた。
オレが単に大人げないって事なんすか?と。
オレ「もういいよ、お前らの楽しそうな雰囲気壊しちゃまずいから、オレは今日は帰るよ」
T美「何?あたしに怒ってんの?マジ分かんないんだけど」
オレ「だから!もういいっつってんだろうがよ!」
オレはつい、自分でも思ってもみないくらい大声を出してしまった。
その瞬間、T美が泣き出す。
うわぁーもう最悪だぁとか思って、オレまで泣けてきそうになった時、どうゆうわけか茶髪がトイレへやってきた。
237 名前:229[sage] 投稿日:2008/08/21(木) 13:17:33 ID:86lIVCJQ0 [6/9]
茶髪「うわ!」
T美がわんわん泣いてるのに茶髪も驚いてる様子だった。
茶髪「なんかあったんすか?」
オレ「う・・ん、ちょっとね・・・」
オレはそう言うとT美の腕を引っ張り外へ連れ出そうとした。
トイレなんかじゃ落ち着いて話も出来ないと思って。
そしたら茶髪がなんか言い出した。
茶髪「つか、なに女泣かしてんすか?」
オレ「は?」
コイツは何を訳分からん事を言ってるのかと。
茶髪「アンタ最低じゃん」(ここからタメ口)
オレ「詳しい理由も分かってないくせに、いきなり最低呼ばわりはないだろう」
茶髪「オレが言ってんのは、もっとT美を大事にしろって言ってんの」
オレ「大事にしてるよ、てゆか茶髪君には関係ないだろう」
オレは必死に冷静さを保とうとした。・・・が。
茶髪「関係あるよ、オレ、T美の元彼だもん」
オレ「はい!?」
オレは一瞬、混乱した。
そんな告白、今されても、ってゆかマジっすかと。
オレ「茶髪君がT美の元彼だろうが何だろうが、今の彼氏はオレじゃん?だからオレらの問題じゃん?」
茶髪「お互い嫌いになって別れたわけじゃないから、関係あるじゃんよ」
コイツ頭おかしいのかと。
なんか知らんが、茶髪はだんだん怒りのボルテージが上昇してる様子だった。
T美は相変わらず泣いてばかり。
トイレは異様な雰囲気に包まれていた。
240 名前:229[sage] 投稿日:2008/08/21(木) 13:19:37 ID:86lIVCJQ0 [7/9]
オレは相手にしてたらヤバイと思い、とにかく二人で話させてくれってT美の手を取って玄関へ向かおうとしたんだ。
すると茶髪がいきなり胸ぐらをつかんできた。
茶髪「なめてんのお前?」
オレ「手どけろ、お前頭おかしいんじゃないか?」
T美「もうやめてよぉぉぉぉ!(すげー大声だった)」
そうこうしていると店員さんがやってきた。
店員「どうかなさいましたか!?」
オレ「騒がしくして、すみません、ちょっと酔いが過ぎてるだけでして・・・」
その場をなんとか取り繕おうとしたオレの横で、茶髪が店員に叫んだ。
茶髪「テメーはすっこんでろ!この派遣が!」
店員さんは一瞬驚いた顔をして、「他のお客様のご迷惑になりますので、大声出されたりとかはちょっと・・・」と丁寧に返してたんだが。
茶髪は相当悪酔いしていた。
しばらく茶髪と店員が押し問答してるともう一人店員さんがやってきた(おそらく店長)
店長「君ら学生さん?あんまり騒がれると、こっちも色々と連絡とかしなくちゃならないの、分かるよね?」
たぶん脅しで言ってるんだとは思ったが、このままではマジで通報されると思い、オレが割って入った。
オレ「申し訳ありません、すぐ大人しくさせますんで、警察とかはかんべんしてもらえませんか」
店長「おたくが幹事さん?彼(茶髪)と彼女(泣いてるT美)は大丈夫?」
オレ「はい、僕が責任持ってこれ以上ご迷惑にならないようにしますんで」
お願いしますよと言い残し、店員二人は持ち場へ帰って行った。
242 名前:229[sage] 投稿日:2008/08/21(木) 13:21:46 ID:86lIVCJQ0 [8/9]
もう心底参った。なんでこうなるのかと。
オレは顔を真っ赤にしてる茶髪を必死になだめた。
オレ「わかったわかった、とりあえず落ち着け、オレも悪かったよ、だから大声とかは出さんでくれ」
茶髪「オレはまともっすよ!」
オレ「うん、それはもうわかったから、ちょっとだけT美と二人で話させてくれ、頼むよ」
茶髪はなんかブツブツ言ってたが、席に戻っていった。
オレはヒクヒク泣いているT美の手を再び取り、外の駐車場へ。
T美を輪留めに座らせ、近くの自販機からペットボトルの水を買ってT美に持って行った。
オレ「大丈夫か?」
T美は泣き止んではいたが、ペットボトルを握り締めたまま黙っていた。
オレ「オレが悪かったよ、もうちょっと大人になるべきだった」
T美「・・・ごめんなさい・・・」
オレ「いや、オレの方こそ、ごめんなさい」
しばらくお互い無言でいると、T美が手を繋いできた。
T美「・・・あたしの事、嫌ってない?」
オレ「うん、心配するな、好きだよ」
T美はそこでまたエーンとか言って泣き出したorz
しかし、なんつーか今度の泣きはぐっときたというか、心底可愛く思えて抱きしめてしまった。
244 名前:229[sage] 投稿日:2008/08/21(木) 13:23:16 ID:86lIVCJQ0 [9/9]
とりあえずその場はT美を落ち着かせたあと、二人で居酒屋へ戻りN子たちの元へ戻って、オレは言った。
オレ「なんかオレのせいで変な事になってしまって、すみませんでした。今日はもうこいつ連れて帰ります。あと、茶髪君、オレはT美が好きだし一番大事な存在だ。T美の今の彼氏はオレなんで全力で守るよ。」
茶髪「は?」
オレ「ただそれが言いたかっただけ、じゃあ」
そう言って、会計でタクシー代以外の有り金全部置いて帰った。
今では付き合いも1年とちょっと経過したけど、T美とはなんだかんだ上手くいってるよ。
T美もオレに気を使ってるのか知らないが、E太とその連れたちとは会ってないそうだ(N子とは親友なんで会ってるらしいが)
あの時、もし茶髪と喧嘩でもしてたら、今とまったく違う状況になってたかもしれんです。
くだらん駄文でスマソ。
名無しに戻ります。
COMMENT
すげー簡単に騙されそうな男だなw