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◇16 夜のエリート。

514 名前:恋人は名無しさん[] 投稿日:2006/03/14(火) 17:20:48
今書いていいのかな。大したものじゃないですけど、吐き出させてください。

3年前のこと。
当時私はまだ学生で、一人の男性とお付き合いをしていました。
彼は6つ年上の27歳。
同じ大学卒の先輩で、世間一般で言うところのいわゆる「エリート」でした。

3年前のその時点で、私たちの交際は3年を超えていたのですが、
私は常に彼の変わらぬ愛情を感じ取ることができました。
彼は私のことを「愛してる」と言ってくれたし、もちろん私も彼のことが大好きでした。
既にお互いの両親への挨拶も済ませ、私は彼から婚約指輪を受け取り、
いずれ訪れる2人の結婚生活を、私と彼はしばしば話題にしていました。
私の目に映る彼は、ひたすら優しく誠実で、今思うと私は彼の愛情に
甘えすぎていたのかもしれません。 515 名前:恋人は名無しさん[] 投稿日:2006/03/14(火) 17:29:53
同棲はしていませんでしたが、私は彼の部屋に頻繁に通っていました。
平日は一日おきに彼の部屋へ行き、忙しい彼の代わりに洗濯と掃除をやり、
2人分の晩御飯を用意して彼の帰りを待つのが習慣になっていました。
そして金曜日は当然のようにお泊り。
通いというよりは、半同棲と言ったほうが良かったかもしれません。

彼は私が家事をすることを喜んでくれて、彼の持ち物に私が触れるのも
嫌がりませんでしたが、ただひとつだけ、
パソコンに触れることだけは禁止されていました。
私用とは言っても、仕事にも使うものです。パソコンに疎い私が
下手に触って、壊してしまうということも充分に考えられたので、
私も彼のいい付けを守って決してパソコンにだけは触りませんでした。

519 名前:恋人は名無しさん[] 投稿日:2006/03/14(火) 17:41:35
ある日のこと、私はいつものように彼の家へ行きました。
2日分の洗濯物と食器を洗い、掃除を済ませました。
もちろんパソコンには触りません。彼のパソコンはいつも仕事用のデスクの上に
置かれており、私はいつもそのデスクを避けて掃除をしていました。

もともと私は家事が苦手、というか嫌いで、彼と付き合うまでは
料理もほとんど出来なかったのですが、そのころは嫌いなはずの
家事がとても楽しく感じました。
彼と結婚したらこんな感じかな、と、幸せな気分に浸ることができました。
人に尽くすことが幸せだということを、私は彼と出会って初めて知ったのです。

やがて彼が帰ってきて、私が作った食事を2人で食べました。
大して上手ではないはずの私の料理を、彼はいつも「美味しい」といって食べてくれました。
食事が終わると彼はお風呂に入り、その後私もシャワーを借りて、
当然のようにセックスをしました。
彼に見送られて家を出るのも、出たあとすぐに彼から電話がかかってくるのも、
すべてはいつもどおりでした。

523 名前:恋人は名無しさん[] 投稿日:2006/03/14(火) 17:47:48
支援ありがとうございます!遅くてすみません…

しかしその日、いつものように「駅に着いたから」と電話を切って、
少し歩きだしたとき、私は無性に彼に会いたくなりました。
ちょっと前まで会っていたばかりなのに、彼がとにかく愛しくて、
どうしても抑え切れなくなってしまったのです。
私は来た道を戻り始めました。
疲れていて、足が痛んだけど、それもまったく気になりませんでした。

戻ることを、彼には連絡しませんでした。
驚かせてみたいというのもあったし、なにより、私が彼に会いたくて
戻ることを、彼が絶対に喜んでくれるという自信があったんです。
今思えば、私はとても幼い女でした。

527 名前:恋人は名無しさん[] 投稿日:2006/03/14(火) 18:00:51
彼のマンションへ着き、エレベーターに乗って彼の部屋の前まで行き、
合鍵を取り出しドアノブに手をかけてドアを開けるその瞬間まで、
私はひたすら幸福でした。
彼に一刻も早く会いたいという思いで、頭がいっぱいでした。

だからゆっくりとドアを開け、そこから女の声が漏れ出しているのを
聞いたときには、一瞬、何が起こったのだかわかりませんでした。
混乱しながらも玄関に目をやり、見慣れぬハイヒールが脱ぎ捨ててあるのを見て、
現実を突きつけられるのと同時に本気で気が遠くなりかけました。

私は彼以外の男性と経験がなく、AV等も見たことはなかったのですが、
それでも聞こえてくる女の声が喘ぎ声だということはわかりました。
その女のあげる大きな声のせいか、それともセックスに夢中になっているせいか、
彼もその女も、私が玄関にいることに気付かないようでした。
靴も脱がずに部屋にあがり、リビングを通って寝室に近付いていきました。
寝室のドアはほとんど全開で、靴を履いたままの私の足音は決して静かなもの
ではなかったと思います。
そのときは混乱していて、そんなことに注意を払う余裕はありませんでしたが。
しかし、寝室のすぐそばまで行っても、女の喘ぎ声はやみません。
私の足音にすら気付かない程彼は夢中になっているのだと、ぼんやりと
考えたのを覚えています。絶望的でした。

530 名前:恋人は名無しさん[] 投稿日:2006/03/14(火) 18:16:20
遅くてごめん…思い出したら泣けてきたよ……

ほんの少し前まで溢れていた幸福感は、もう欠片も残っていませんでした。
よせばいいのに、私は寝室に近付く足を止めず、女の声が漏れる
その部屋をのぞきこみました。

しつこいと思うかもしれませんが、私の目に映る彼は、本当に優しい人でした。
いつでも私のことを考えてくれました。
彼のセックスはひたすら優しく心地よく、私が少しでも辛いときには、
彼は自分を抑えて、決して無理にコトを進めようとしませんでした。
愛されている、と、私は彼に抱かれるたび強く感じました。

しかしそのとき、私の前でその女の人を抱く彼は、私の知っている
彼ではありませんでした。
傍から見てもぞっとするほど、彼は乱暴でした。
女の人の両手首は、頭の上でひとまとめにして縄のようなもで縛られ、
その縄の先はベットの足につながれていました。
彼女は悲鳴とも喘ぎともつかないような絶叫をして悶え、
彼は彼女の髪の毛をつかんで乱暴に腰を動かしていました。
私はその光景を、ただ茫然と眺めていました。
彼は彼女のアナルを犯していました。彼女のヴァギナには、バイブはささっていました。

そこから先の記憶は、正直あまり鮮明なものではありません。
ただその後すぐに私は彼の部屋を出て行きました。
どうやって帰ったのかわかりませんが、気がつくと私は、自分の部屋に居ました。
涙がとまらず、大声で泣いていました。

531 名前:恋人は名無しさん[] 投稿日:2006/03/14(火) 18:23:31
その後しばらく、私は彼の部屋に行きませんでした。
頻繁にかかってくる彼からの電話にも出ず、メールにも答えませんでした。
いろいろな考えが、頭の中でぐるぐる回っていましたが、少しもまとまりません。
私はまだ彼が好きでした。
会いたい、話を聞きたいとも思いましたが、そのたびに
彼の部屋の光景が思い出され、私は自分の気が狂ったのだと本気で思いました。

532 名前:恋人は名無しさん[] 投稿日:2006/03/14(火) 18:28:44
もう彼には会えないと思いました。
会ったら絶対に問い詰めてしまうし、彼がそれにどう答えるかなど、
想像したくもありませんでした。

しかし、連絡を絶って1ヶ月ほどが過ぎたとき、彼は突然私の前に
現れました。部屋の前で待ち伏せしていたのです。
彼は私を強引に車の中へ押し込みました。
普段と違う彼の様子に、私は恐怖を覚え、ただ黙って彼に従いました。
着いた先は彼のマンションでした。

537 名前:恋人は名無しさん[] 投稿日:2006/03/14(火) 18:49:03
無言で腕を引っ張られて彼の部屋へと向かい、
部屋に入ってドアを閉めた途端、彼は大声で泣き出しました。
泣きながら土下座していました。
「ごめん、許してくれ」と彼はひたすら繰り返しましたが、
彼が謝れば謝るほど、私は辛くなりました。

彼は、幼いころからそのような性癖を持っていたそうです。
私と付き合うまでは、彼女に対しても乱暴にしていた、だけど私と出会って、
きっと変われると思った、でもやっぱり無理だった…彼はそう言いました。
私が触ることを禁じられていたパソコンは、実は仕事用のものではなく、
彼の欲望を満たすためのデータが多く入っていたもののようでした。

彼は何度も「許してくれ」と言い、「絶対に変わるから」とも言ってくれましたが、
そのとき私は既に限界で、彼を受け止めることはできませんでした。

私は婚約破棄を申し出ました。
驚いたことに、彼の両親も彼の性癖を知っていたらしく、私の申し出は
すんなりと受け容れられました。

その後、彼と会うことはなくなりましたが、今でもときどき、
彼から連絡がきます。

以上です。生々しい表現を含んでしまい、申し訳ありません。
聞いてくださってありがとうございました。

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